インテリアの専門職であるということ

海外サイトを利用すると時々「職業」の選択欄がある。「インテリアデザイナー」はドクターや弁護士などと同じカテゴリーになっていたりする。日本ではまだまだである。

しかし死ぬまで専門職としてのプライドを持って取り組みたいと思う。
分かる人には解るものがあるのだから。

振り返って日本のインテリア「コーディネーター」である。

最近は「実務経験無しでもできる」さらに「実務経験無しでフリーランスに」という見出しが躍る。

極めつけは、分からない事を仕事先で聞かれたら(実務をやってる)インテリアコーディネーターのサイトを調べてそのまま答えればよい、なんてーのもあった。
正直、これには驚きを通り越し、、、、。

このままで良いのかorよしとしているから問題定義されないのか。

はたまたそういうモノであると世間では評されているのか?よくも悪くも深く考え込むときがある。

このままでいいのか?という気持ちと、いや、世間では「インテリアデザイナー」より「インテリアコーディネーター」の方がワード的には認知されているではないか、それならビジネス的にはそっちだし、名称なんてここは日本なんだから、それでいいという意見。

しかしそもそも企業だって、インテリアコーディネーターとして求人しといて、結局はイベントやらなんやらの補充員みたいに扱うところだってある。

ならば、この仕事が「専門職」としてもっともっと高みに向けていくには何が必要でどうするべきかという点。

さらにここには、日本の建築=特に住まいの供給におけるシステムに問題もある。

技術者×技術者、自分ならば現場の方々がそこにあたるが、その場合は30年ほど前を振り返れば、本当に男女平等になった。

しかし、いわゆる「インテリアコーディネーター」(「デザイナー」ではなく)的仕事に就く場合は「営業担当者」「設計担当者」(設計が分かれる場合)との関係性は、調べたところ、30年間で進歩どころか後退を感じさせる面もあるのだ。

私が興味を引かれるのは、その点だ。

まさに「今ドキには珍しい」男性主導的な空気がそこにある。いや、そもそも、彼らには色んな面で余裕が無いと言うのだ。

私はもうこの年齢であり、他の色々な状況もあり、そこは上手く自分のやり易い方法で仕事を進めていくことができるが、この仕事に就いたばかりの女性の気持ちを慮ると、心配になって仕方がないのだ。

戦う事を選べば、チームワークであるので成り立たず。かといって黙っていれば何も理解されないまま終わる。

そのあたりの綱渡りを上手にできる女性、又は、、、、いや、これはあえて書かないでおくが、、、、。そういうものが無い場合は、とにかく孤軍奮闘する事になる。

しかし時代は変わっているのだ。そういう事が無くても、熱意と研鑽、そして持って生まれた才能、センス、そういう人がどんどん良い仕事が出来て、専門職としてインスパイアされ、高い収入を得られなければならない。

さて、ここまで書いてきたが、それにはまだまだわが国の室内空間に関する様々なものは熟成していない。もちろん、何度かの進歩、後退を繰り返してきたうちの、現在は過渡期に過ぎないのではあるが。

そして何も欧米のようにならねばならないと言う訳でもない。

しかし、やはりモノを創る仕事を舐めるのだけはよくないのだ。

私は、それが言いたかったのかもしれない。